🩸 刺絡療法とは

血の「流れ」を整える伝統的な方法

刺絡療法(しらくりょうほう)とは、皮膚の浅い部分から、少量の血液を出すことで血の巡りを整える治療法です。
昔から「血の滞りを取ると体が軽くなる」「痛みや熱が引く」と伝えられ、今も鍼灸の中で行われています。


🩸血行不良は“渋滞”のようなもの

体の中の血流を道路にたとえると、血行不良は「渋滞」に似ています。

  • 自然渋滞
    一時的な詰まりで、時間とともに自然に流れが戻る。
    生活習慣の見直しで改善することが多いです。
  • 事故渋滞
    「事故車(滞って固まった血)」が道をふさいでいて、自然には流れません。
    その“事故車”をどかす方法のひとつが刺絡です

少量の血を出すことで滞りがリセットされ、再びスムーズに血が流れはじめます。


🩸身体が本来もつ力を呼び覚ます

人の身体は、血が出るとすぐに修復モードに入ります。

  • 免疫や修復のシステムが働き出す
  • 新しい血が作られる
  • 自律神経や循環が整う

つまり、軽い刺激をきっかけに「治す力」を思い出させるのが刺絡の役割です。


🩸刺絡のあとについて

刺絡を行った部位が、赤くなったり、紫色になることがあります。
これは「瘀血(おけつ)」が多く滞っていた部分で起こりやすく、
体の反応として血流が入れ替わる過程です。

  • 残る色が濃いほど、消える期間が長いほど瘀血が多く状態が悪いと判断します。
  • 通常は 2〜3日で薄くなり、2〜3週間ほどで跡がきれいに消えます。
  • 痛みや腫れはほとんど残らず、皮膚の色も自然に戻ります。

むしろ、この反応が出る場所ほど「渋滞が解消されたサイン」と考えられます。


🩸東洋医学の考え方では

  • 経絡(けいらく):血や気の通り道
  • ツボ:渋滞が起こりやすい交差点

この“滞りやすいポイント”を刺激して流れを整えるのが刺絡療法です。
皮膚の反応を通して内臓や全身のバランスを整える「皮膚内臓反射」という仕組みも関係しています。


🩸現代医学から見た効果

  • 微小循環(細い血管の流れ)の改善
  • 炎症物質の除去
  • 血液の再生と代謝促進
  • 自律神経・免疫系への穏やかな刺激

痛み・冷え・肩こり・頭重感などの慢性症状に用いられることが多く、最近ではストレス緩和や睡眠の質の改善にも応用されています。


🩸 古くて新しい整える医学が東洋医学

刺絡や東洋医学は、体質や生活習慣など一人ひとりの環境によって反応が異なるため、短期間のデータで評価しにくいのが現実です。
しかし、「数値で測りにくい=効果がない」わけではありません。

長期的には、

  • 生活の質(QOL)の改善
  • 慢性症状との共存
  • 健康習慣の定着
    に大きく寄与することが多く、“治す医学”と“支える医学”の橋渡しとして大切な役割を持っています。

🩸まとめ

  • 刺絡療法は「滞りを解いて、流れを戻す」伝統的な方法
  • 自然治癒力・免疫・血液再生を促すきっかけとなる
  • 刺絡後にうっすらと跡が残ることがありますが、2〜3週間で自然にきれいに消えます
  • 西洋医学の「治す」に対して、東洋医学は「整える・支える」医学
  • どちらか一方ではなく、両方を上手に使い分けることが真の健康づくりにつながる

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